備忘録

需要0です。役に立ちません。書ける程、進捗ガンバリマス!

フランツ・カフカ『変身』(新潮文庫)

皆様はいったいどのような目的で、生きているんですかね。ややもすると自分は馬鹿正直過ぎるきらいがあるのかもしれないと、夢を見過ぎているんじゃないか、とふと悲しくなった1日でした。まぁ結局変える気にならない辺り、自分の中でははっきりと基準があるみたいですけれど。受験勉強をそんな熱心にする気はないけど、落ちるつもりも毛頭ないし、努力する気も十分あるぞ!ってそんなこの頃。そのうち受験関連のカテゴリ作って、そこで愚痴る事にします。

さて、少しやるせない、もの寂しい気持ちになったので、ぬぼーっと読んでいたら、殊の外短かったので、読み終わってしまい、思いがけず予約投稿とは関係なく、更新する運びとなりました。そんな訳で今日はこれ。

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親のお下がりを読んでいるので、今の版だともしかすると解消されているのかもしれませんが、ちょっと聞き慣れない表現がちらほらあったのが厄介でした。あと、訳関係無く、当時の西欧の住居事情を全く知らないので、文章だけだとどんな家に住んでいるのか結局あやふやになってしまったのもちょっと残念でした。単に僕がモノを知らないだけな気もしますが。

さて、些末は置いとくとして、結局虫って何のメタファーなんでしょう。そもそも、本当に変身したのか、それとも主人公がそう錯覚して、引き篭もってただけなのか(流石に天井這いずってたらしいし、それはないか)。僕としては、執筆時期も踏まえて、当時の困窮した生活において、働かなくなったものはある種人間とは呼べず、つまりは虫と、そういう事なのかなと漠然と思いました。変身前、働き者だった主人公が最後本当に心まで虫となり、対照的に妹や両親が働くようになり、ある意味ハッピーエンドっぽく、主人公にとってはどこまでもバッドでしょうけれども、ラストを迎えるのが表現し難いやるせなさを感じさせました。解説を読むに、不条理さもポイントだそうですが、確かにある日突然虫になるって相当な理不尽で、どうしようもなく、それに対し主人公はなす術なく、どんどん堕ちてくだけって話ですし、なるほどね。

なにより、虫になった事に解説もなければ、主人公に大した動揺もなく、そして周りも平然と受け入れ、虫だし、働かないし、穀潰しだし、邪魔か〜って、ごく自然な流れでだんだん粗雑になっていくのが、なんともシュールで、描写も好みでしたし、現代に通ずる含蓄もあり、面白い作品でした。(まる)